第163号   愛命園だより「あゆみ」   平成26年4月


1月27日利用者の中谷明さんが亡くなられました

《特別寄稿》
明さんのこと
元生活支援員 新田 嘉弘

 大変失礼ではあるが、彼のことを「中谷君」とずっと呼んでいた。人生の先輩に対しなんと無礼な態度であろうか。しかし、「気にするなよ」と言わんばかりにいつも笑顔で応じてくれた。そんな彼との付き合いは、私が職員として勤め始めてから。ずっと同じ釜の飯を食べながら園の歴史を見守ってきた。彼の立ち位置は園のスポークスマン的、来客への挨拶から接待、園内の情報をこまめに流して回る、何時も彼の声が響いていたことを鮮明に記憶している。肉体労働にも従事し、額に汗しながらスコップで畑を耕す姿は私には輝いて見えた。
 年齢を重ね、その当時の馬力が徐々に影を潜めるようになった。それでも持って生まれたガンバルマン、何とか自力で園内移動をしていたが、ついにベッド生活を余儀なくされる事態となった。あれ程自分から話しかける明るい彼の存在は、ベッドの上での狭い空間に限られるようになった。しゃべることが出来ない、食事も自力で摂れない耐え難い苦痛の日々が続いた。私たちの声はきっと彼の耳に届いていることを信じながら、優しく語り掛ける努力を続けていた。そんな折、ふと見せる笑顔がとても印象的であった。
 76年の生涯を閉じたのが1月27日であった。段々と薄れてゆく意識の中で、きっと彼は私たちとの様々な出来事を追い続けていたに違いない。天国へと旅立った明さん、持ち前の明るさで、時々休憩をとりながらガンバルマンとしてあり続けてください。そして私たちの事もしっかりと見守っていてください。合掌

[編集部注]
 愛命園神楽クラブのファンだった皆様、「八岐のおろち」の婆さま役をしていたのが中谷さんです。今頃、爺さま役だった谷本さんとあちらで楽しく神楽談義かもしれませんね。



自治会長挨拶
愛命園入所者自治会 会長 宮木 秀憲
(インタビュアー&代筆 徳島 友明)
平成26年度の入所者自治会会長に宮木秀憲さんが就任されました。その宮木自治会長にインタビューして、新年度の意気込みを語っていただきました。

Q.会長に選ばれてどうでしたか?
A.みんなから選ばれて嬉しかった。

Q.これからどういう愛命園にしていきたいか、意気込み等を語ってください
A.みんなを引っ張っていかないといけないので、みんなのリーダーとして頑張っていきます。

Q.最後に自治会長として一言お願いします
A.愛命園のみなさんこれから自治会長として頑張っていきますので、頑張れるように私を支えてください。



健康管理室より
看護師 森本 文江

 理学療法士、管理栄養士、看護師、非常勤生活支援員の計8名で、利用者さんが健康に過ごされるためのお手伝いに、日々走り回っております。
高齢化に伴い、年ごとに歩けなくなる方が増えていきます。以前から朝礼に車椅子で参加する方はいましたが、今や1/5以上が車椅子を使用して朝礼に出席している状態です。車椅子利用予備軍といえる方も多く目につきます。
 このような方の移動能力の低下をできるだけ防ぎ、可能ならばその能力を向上させるために理学療法士を1名配置し、週5日間必要な利用者に対し理学療法を提供しております。訓練機器の充実を図り、支援員や他のスタッフの協力も得て、利用者の体力低下、歩行や移動能力の低下を防ぐため頑張っております。
 皆さんを元気にするためには、まず自分達が元気でないといけません。
私達のモットーは『(1)よく食べる(2)よく笑う(3)仕事はいつも真剣に!』です。
 利用者さんのステキな笑顔を見るために、健康管理室の8名は一丸となって、ファイトで頑張っています。
 皆様これからもどうぞよろしくお願いします。



愛命園衛生委員会より
衛生管理者 沖田幸久

 労働安全衛生法では「事業者は、業種を問わず、常時50人以上の労働者を使用する事業所ごとに衛生委員会を設けなければならない。衛生管理者を選出し、衛生委員会は月に1回以上開催しなければならない」とされています。
 開園当初は職員数が10人程度だったと聞いていますが、数年前から50人以上になったため私が衛生管理者を務めさせていただいています。大学在学中に「何かの足しになれば」程度の気持ちで取得した衛生管理者免許でした。取得したことも忘れていて25年以上休眠していた資格、改めて取得するのは結構大変だそうで「調べたらあなた資格持っているじゃないの、やってよ」と私に白羽の矢が立った訳です。
衛生委員会では具体的にどのような何を話しているのか。一般の工場では作業の安全が最大の課題でしょうが、愛命園のような福祉施設では利用者と職員の衛生や安全に関わること全てですので議題は実に様々です。蜂やアブなどの害虫対策、インフルエンザ対策、「あそこが壊れたままだよ」などの破損個所のチェック等々、普段見逃しがちな事柄を話し合っています。
大きな事故は小さなミスやすれ違いの積み重ねで起こると言われています。そうならないよう愛命園衛生委員会は毎月第3火曜日、安全に対する問題意識の喚起や細かな気づきをなるべく多く出してもらえるよう。全職員が集まる職員会議の後半に開催しています。



お花見
生活支援員 小平 成美

 新年度の恒例行事「お花見」を4月8日に行いました。連日の雨で、桜が散ってしまわないか不安でしたが、何とか持ちこたえてくれました。昨年は雨の中での花見でしたが、今年は天気にも恵まれ、暖かい日差しの中、風に乗って桜の花びらが散る様子は、とても綺麗でした。今年度は橘高副会長、後藤事務局長が来られ、花見の席を楽しんでおられました。
 花見弁当は昨年よりもコンパクトになり、「これくらいがちょうどいい」「おいしい」との声をきくことができ、アルコール摂取に関しても、医務の努力により、それぞれの方に応じた量を提供することができました。今年度はコーヒータイムにプチケーキを提供しました。一度部屋に帰られた利用者も「ケーキが出るなら戻ろうか」との声もあり、やはり利用者の皆さんにとって、コーヒーにはケーキが付き物のようです。
 レンガ通りでのカラオケでは、多くの利用者が参加され楽しまれていました。最後には、「青い山脈」を皆で歌い、花見の席はお開きとなりました。後になり、橘高副会長はカラオケが好きと言うのを聞き、歌っていただければ良かったと残念に思いました。来年は是非歌っていただきたいと思います。



クリスマスチャリティー公演・
劇団四季「ミュージカル 桃次郎の冒険」
生活支援員 松田 耕作

 日産労連NPOセンター「ゆうらいふ21」主催の第38回クリスマスチャリティー公演劇団四季「ミュージカル 桃次郎の冒険」に利用者15名、職員15名で招待していただきました。
 会場内は、色々な施設の方で大変混雑していましたが、席まで誘導して下さるスタッフの方もおられ、スムーズに席までいくことができました。席は、なんと一列目でとても良い席でした。
 ミュージカルの内容は、昔話の桃太郎のような、鬼が島に鬼退治に行き金銀財宝を手に入れ目出度し目出度しのお話ではなく、桃次郎の冒険では、桃太郎によって家族を殺されたという過去をもつ鬼の子が登場してきます。鬼の目線にたったお話しで本当に大切なもの、それは「人を信じること」「思いやる心の大切さ」「外観の違いで人を差別してはいけない」などを気付かせてくれるお話しでした。
 利用者の皆さんは、歌あり、笑いあり、涙ありのお話でしたので大変に喜んでおられました。


利用者感想(談)

岡野 克則

 桃太郎が鬼を退治するのはかわいそうだと思いました。その点、桃次郎は鬼と仲良くしていて良かった。鬼にもいい鬼がいると思います。悪い鬼ばかりではないと思います。
 最後に「すもも」が死んだのがかわいそうでした。宝物は持って帰らなかったけど、大事なものを持って帰ったのだと思います。
 紙芝居のおじさんもよかったです。握手もできてよかったです。
 また伺いたいです。次回も楽しみにしています。

小山 幸隆
 うーん、おもしろかったです。うん、良かった。また行きたい。

長谷 泰江
 おもしろかった。鬼が島行って、鬼と仲良くなって良かった。また行きたい。

中本 良二
 歌が上手かった。おもしろかった。

宮木 秀憲
 おもしろかった。桃次郎からツノが出たのがおもしろかった。

小柳 信宏
 おもしろかった。また行きたい。

江野脇 操
 踊っているところがおもしろかった。おじいさん、おばあさん、鬼、紙芝居のおじさん桃次郎、よかった。握手できて良かった。また行きたい。



第1支援活動報告
生活支援員 宮木 明美

 長く寒かった冬から暖かい春を迎える季節行事として、2月3日、1係・2係合同の節分をホールの方で行いました。
 当日はホールの準備が出来るまで、ディルームで節分に関する昔話のCDを聞きながら、鬼にぶつける豆を、新聞紙を小さくちぎって丸めます。「へぇー」とか「おぉ―」と皆さん笑ったり驚いたりしながら楽しく話しを聞いた後、ホールの方に移動し、鬼に扮した職員が出て来るのを待ちました。鬼は3匹おり、利用者さんは鬼に向けて「鬼は外、鬼は外」と思いっきりぶっつけ今年の健康を祈りました。豆まきが終わった後は皆で片付けをして、心も体もすっきりした様子でした。
 私は昨年就職し1係で1年を通し、誕生日会、小グループ外出、クアハウス、野菜作り、手芸といろいろな体験を沢山させて頂きました。
 利用者さんの楽しそうな姿をしばしば見せてもらい、私も元気をもらいました。今年も畑と季節行事の担当になりました。野菜作りはまだまだ勉強しないとわからない事が沢山あります。
 季節行事は利用者さんと一緒に楽しめる新しい行事を企画したいと思います、楽しみにしておいてください。



孫の成長、私の衰え
愛命園家族会副会長 古浦 利明

 よちよち歩きながら娘が孫を連れてやって来た。この前までは、抱っこされて来ていたが、危なっかしい歩きではあるものの「じいじ、ばあば」と言いながらやって来た。言葉もはっきり聞き取れるほどである。
 抱っこしてやろうとするとすぐには家に入らない。少し砂遊びをしてから家に入る。自分の思いがあるのだろう。それにしても成長が早い。
私の体も大分がたがきている。(右足が少し不自由)孫が一日中居ると疲れる。来てうれしや、帰ってうれしやである。
じいじも負けてはいられない。町民会館へ機能回復リハビリに出掛ける。帰りに病院へ寄って薬をもらう。元気でいないと愛命園に居る妹も、職員の方々に介護されながらも頑張っているから。
 しかし、今回もゴールデンウイーク帰省、つれて帰ってやれません。もう2年にもなります。本当に済まないと思ってる。愛命園の職員の方々にお世話掛けますが、お願い致します。



牡蠣頂きました
生活支援員 神村 恒彦

 今年も宮本海産さんから牡蠣を頂きました。炊き込みご飯にしたのですが、利用者の皆さん「美味しい、うまい」と喜んで食べられていました。紙面を借りてお礼申しあげます。有難うございました。
 さて愛命園で貝通し活動が始まったのは昭和59年4月だそうです。もう30年の歴史があるのですね。一つの活動が30年も続くことは素晴らしいことだと思います。平成7年に、第16回全国盲重複障害者研究協議会全国大会が愛命園の担当で広島で開催された際、厚生省(当時)の方が視察にみえて、「地場産業を生かしたよい作業だ」とおほめの言葉をいただいたと聞いています。現在約30名の方が活動に携わっておられますが、他施設の方からも有意義な活動ですねと言って貰っています。平成22年、24年には宮本海産さんの仕事場を見学させて頂きました。利用者の方の活動の一端が全国の人に食べられている牡蠣になるという説明を聞き誇りに思いました。
 また責任ある仕事をしているということを改めて実感し、これからも感謝しつつ緊張感を持って活動に取り組んでまいりたいと思います。



今年も善意の食料品ありがとう!
管理栄養士 青木 ましず

 フィットネスクラブ、カーブス様より2月15日にたくさんの食料品を寄贈していただきました。この食料品は、フードドライブ会員様のご家庭にある保存食を集めたものです。今年で7回目になります。
 心のこもった食品に本当に感謝します。
 細うどんの乾麺とうどんだしで、広島県山間部のおばちゃん達が作ってる名物『おでんうどん』の出来上がり!うまいのぉ〜



木漏れ日
〜リレー随想
生活支援員 沼座 洋

 私の趣味は車の内装や外装を自分なりにカスタマイズして楽しんだり、新しく自動車メーカーから発売された車の試乗をさせて頂くことです。
 最近はカスタマイズは出来ていませんが、ホンダのとあるハイブリッド・ガソリン車に興味があり、試乗にも行きました。排気量1500CCの車です。
 ハイブリッド車はエンジン音など無く、とても静かで燃費も良く、車内も広い設計で、欲しくなるような車でした。
 今までトヨタやホンダなど色々な車の試乗をさせてもらいました。今はホンダの車に乗っているのですが、燃費があまり良くないので、次に車を購入する際は燃費の良い車にしようと思います。


人の動き
《退  職》
3月31日付
生活支援員  新田 嘉弘

《異  動》
4月1日付
非常勤生活支援員から生活支援員に
  熹ゥ 瑞枝
  上 正輝

《就  職》
4月1日付
 生活支援員  椋田聖子
 非常勤生活支援員  木村 芳明
           河野 令子
           三宅 千代子

新任職員挨拶
生活支援員  高畠 瑞枝
 この度、非常勤から常勤として勤務する事になりました高畠瑞枝です。
今まで沢山の事を利用者さんに教わりました。これからも教わる事が沢山あると思います。
今まで以上に関わることも増えると思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。

生活支援員 上 正輝
4月1日より生活支援員として着任致しました。上正輝と申します。
去年の9月から非常勤として働かせていただきそれまでサービス業の仕事しかしたことがなかったので初めは不安ばかりでしたが今は楽しく利用者の皆様と日々を過ごしています。
私は小、中学は野球、高校はラグビー、それにペーロンというスポーツをしてきました。
そのスポーツで培った精神力、根性を忘れず日々勉強し利用者の皆様とこれからも一緒に楽しく、笑顔で過ごしていきたいと思っています。まだまだ未熟な私ですがよろしくお願いいたします。

生活支援員 椋田 聖子
4月から生活支援員として勤務させていただいている、椋田聖子です。
利用者さんと一緒に生活させていただく中で、自分の声掛けや接し方によって利用者さんのやる気を引き出すことも、逆に減退させてしまうこともあり、改めてとても奥の深い仕事だと実感しています。また、笑顔がみられたり、名前を覚えていただいた時にはとても嬉しく、日々多くの学びと感動をいただいています。
 早く皆さんと信頼関係を築いて、一緒に楽しく過ごせるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【寄せられた善意】
[平成26年1月26日〜平成26年4月25日]
(順不同・敬称略)

《現  金》
清水 都美子     中谷 正大
(株)ビッグラン   愛命園育成会
大成 敏正      橘高 則行
後藤 幸生      小松 俊信
妙安寺        谷川 隆子
湯来中PTAソフトバレーOB会
付添看護共済事業愛命園支部
湯来ふるさとプロジェクト

《現  物》
園まつりバザーに野菜、漬物
        坂口クリーニング店
昔話CD    福島 利通
牡蠣      宮本海産
啓翁桜     新庄 敏之
はっさく    福島 満
食材      カーブス・フードドライブ
乾麺      谷川 隆子
浄土真宗聖典  妙安寺

《招  待》
クリスマスチャリティー公演
 劇団四季「桃次郎の冒険」
日産労連NPOセンター「ゆうらいふ21」

《朗読奉仕》
どんぐり会

《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子     西山 洋子

※いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。
 前号で記載もれがありました。この場を借りましてお詫び申し上げます。



【編集後記】
 4月に入り、暖かく過ごしやすい季節の到来を実感できる日が増えてきました。雲ひとつない青空を見ると、外へ出て体を動かしたくなります。
 次号は夏発行です。今年の夏はどのような夏になるのでしょうか。 (HY)