第203号   愛命園だより「あゆみ」   令和6年4月


内面は表面化する
社会福祉法人 広島県視覚障害者団体連合会
会長 橘高 則行
 予想では桜の開花は早くなるといわれていましたが、過ぎてみると例年通り、各地の入学式や新入社員の歓迎会を待っていたように満開の桜が見守り祝ってくれたようです。
 去る4月1日、新職員を迎える着任式と、利用者の皆さんが楽しみにされていた花見の会に招かれ、愛命園を尋ねさせて頂きました。愛命園も50周年を超え、念願の避難棟も整備され8代目の髙橋新園長の下、新たなスタートをきりました。職員の皆様には、日夜途切れる事なく利用者の皆さんのご支援をしていただき心より感謝申し上げます。また、育成会、家族会を始め関係者の皆様には、愛命園の運営等にご支援ご協力を頂いています事に、重ねて感謝申し上げます。
 心に響くことばとか、元気の出ることばとかが良く紹介されます。その中に【内面は表面化する】と言う言葉がありましたので紹介します。心の状態は、部屋にあらわれる。寂しさは、金遣いにあらわれる。気品は、言葉遣いにあらわれる。本性は、別れ際にあらわれる。哀愁は、色気にあらわれる。我慢は、怒りにあらわれる。無知は、傲慢さにあらわれる。感謝は、謙虚さにあらわれる。余裕は、優しさにあらわれる。決断は、未来にあらわれる。偶然は、必然的にあらわれる。運命の人は、探すのをやめたらあらわれる。性格は、顔にあらわれる。生活は、体型にあらわれる。本音は、仕草にあらわれる。心に描いた想いは色々な容となり表れると言う事でしょうか?
 人それぞれ生活習慣等で性格が作られます。愛命園の利用者さんも高齢化、意思疎通も難しくなられておられる方も増えてきているのではないでしょうか。しかし、人のなす事や想う事、どんな小さな所にもきっと意味があると思います。そして、人それぞれその人にしか果たせないものもあります。利用者の想いがくみ取れるように日々利用者の皆さんの見守りを宜しくお願いします。
 また、日本には茶道や花道、剣道や柔道と言った多くの道があります。この「道」が説いてきたのは、技の前には心があるということです。例えば、心技体の総ては心です。角界では横綱に求めるものとして「心・技・体」と言われています。この心技体ですが、「技」の前には心あり。「体」の前には技と心があります。心と技と体が一つとなり不思議な力が生まれてくるのではないでしょうか。新年度を迎え気持ち新たに心と体を鍛えて行きたいと思います。今少しコロナウイルス感染症にも気を配り日々お過ごし下さい。
 引き続き愛命園へのご支援宜しくお願い申し上げます。



事務長就任にあたり
事務長 林 洋輔
 この4月より、事務長の職を拝命いたしました、林です。愛命園には平成19年8月に就職し、以降庶務係で歴代の事務長のもと勤めてまいりました。幸い、石田前事務長は愛命園での勤務を続けられており、ご指導をいただきながらひとつひとつ事務長の職を学んでいきたいと考えております。
さて、平成19年は障害者自立支援法が施行された年です。愛命園も、それまでの障害者更生施設から障害者支援施設への変化の中で多くの求人があり、事務職もそのうちのひとつであったと認識しております。
 その後、障害者自立支援法は障害者総合支援法となりました。愛命園はこれらの法律に基づいて運営されており、概ね3年に一度介護報酬を中心とした見直しが行われます。障害者福祉政策の今後について、行政が目指している方向性を確認できる機会となります。そして令和6年度は、その改定の年にあたります。今後、愛命園が愛命園として続いていく為に、大きな変化が必要となる時がやって来るのか。現時点ではそこまでの状況ではありませんが、何より愛命園で過ごされる利用者の皆さんのため、髙橋園長を支える力となれればと思います。
 さて、このところ障害者支援施設愛命園は、利用定員を埋め切れていない状況が続いております。『あゆみ』で利用者募集をしてはどうかといった意見もありました。ですので、この場を借りて入所の利用定員に空きがあること、利用者の募集を続けていることをお伝えしたいと思います。
 それでは引き続きよろしくお願いします。



節分
生活支援員 梅田 大作
 令和 6年 2月2日金曜日、コロナウイルスやインフルエンザといった感染症が猛威をふるっている中、悪いものを追い払い、幸運が舞い込むようにと願い、節分の豆まきを去年同様に規模を縮小した形で行ないました。
 園長から節分についてのお話を聞いた後、職員が鬼に扮して利用者の間を歩き、その鬼に向かって「鬼は外、福は内」と新聞紙で作った豆で豆まきをしていただきました。利用者の大きな声がホールに響き渡り、楽しそうな笑顔も見られました。
 その後、代表者として年男・年女の利用者・職員に玄関から本物の豆をまいていただき、利用者全員にラムネ菓子と福茶を提供しました。
行事を通して季節を感じて頂くことができたかと思います。



花見
生活支援員 迫田 大
 4月1日に花見を行いました。3月末から気温が上がり、レンガ通りの桜も満開とはいかないまでも当日は綺麗に花開き、天気も快晴で絶好の花見日和となりました。
 晴天のおかげで、希望者にはレンガ通りの桜の下でお弁当を食べていただくことができました。お弁当はとても好評で、皆さん美味しそうに食べておられました。
 食事が落ち着いた頃、余興として桜に関するクイズを出題させていただきました。問題の中には難しいものもありましたが、多くの利用者さんが参加して下さいました。普段あまり大きな声を出されない利用者さんが「はい!」と元気な声で問題に答えておられたのが印象に残っています。
 花見中は体調を崩される方もなく、皆さんお弁当や余興も含めて楽しまれました。今後も利用者はもちろん、利用者と職員が共に楽しめる行事を行っていきます。



カラオケ大会
生活支援員 竹内 仁志
 2024年4月1日、毎年開催しているカラオケ大会を実施しました。
 当日は雲ひとつない晴天で、2日前まではつぼみばかりだった桜も8分咲きにといったところまで開花が進み、お花見ムード満載の中の開催となりました。
 準備がスムーズに進んだ為、予定の時間より少し早めに開始しました。順番決めから楽しめるように、ポケモンのモンスターボールに番号を書いたクジを入れておき、一人ひとりに引いていただくようにしました。
 かなり気候が良かった為、暑さ防止のために日除けマットを設置し、帽子の着用をお願いしました。途中、休憩を挟み水分補給、トイレ誘導を行いつつ、参加予定の利用者21名全員が歌唱してカラオケ大会は終了となりました。
 久しぶりのカラオケ大会で、皆様張り切っておられました。大きな声で歌い、他の方の歌にも楽しそうにされ、最後は満足そうなお顔が見られました。普段は大きな声で他の人に歌を聴いてもらう機会も少ないので、ストレス発散にも繋がったのではないでしょうか。イベントが無事に開催され良かったです。



活動係慰労会
生活支援員 髙畠 瑞枝
 今年度の締めくくりとして、3月21日木曜日に活動係の慰労会を行いました。コロナも5類に移行し外出を考えましたが、外出先のスケジュールが合わない事と、ゆっくりのんびり過ごしてもらう為、さくらホールで行いました。
 お花見シーズンという事で広いホール一面に桜の飾りつけをし、お弁当はわたやごちそうデリカのお花見弁当「いくら春彩御膳」でした。鮮やかな色使いといくらの量にビックリされる方もいました。「今までと違った感じで美味しいね」「量も丁度いいね」等の声がありました。
 また、1人1人に頑張った事や来年の抱負を聞き、「元気に楽しく頑張ります」「頑張るのでよろしくお願いします」等たくさんの抱負を聞くことが出来ました。食後はおやつと、カーブスで頂いたコーヒーやココアを飲んでもらいました。
 さくらホールという新しい場所といつもと違った雰囲気に皆さん満足されていました。今年も元気に活動を盛り上げていきたいと思います。



大出さんとのお別れ
生活支援員 高橋 未歩
 大出さんは昭和48年8月2日に愛命園に入所され、50年間園で生活されていました。お誕生日が愛命園の開園記念日と一緒で、昨年は愛命園開園50周年の記念日に米寿を迎えられ、とても素晴らしい日となりました。
 気さくな人柄で「先生来たん?」「おばあちゃん言うて?」と職員や利用者によく声をかけておられました。大好きなごきょうだいのお話もよくされており、電話で声を聞くといつも嬉しそうでした。
 少し頑固な性格でもあり、介助を嫌がられることもしばしばでしたが、「自分で出来る事は自分で」という姿をたくさん私たちに見せて下さっていました。平成27年11月6日には「8020 いい歯の表彰式」で表彰を受ける等、ご自身の歯をいつまでも大切にされ、大好きな食事を楽しんでおられました。
 しかしご高齢もあってか、次第に体調不良が見られるようになり、食事も摂取出来ない日が続くようになりました。病院へ入院されて1ヶ月と数週間、変わらず食事も摂れていない状況等を聞き、心配と不安が尽きませんでした。入院中、面会に行かせていただいた際は、言葉でのやり取りは難しかったですが、しっかりとこちらを見て確認されている姿がありました。お顔を見ることができて安心したものの、その2日後、令和6年3月28日に老衰の為永眠されたと入院先の病院より電話で聞きました。享年88歳でした。
 いつも頑張る姿を見せてくださっていた大出さん、愛命園1番のご長寿で皆たくさんのパワーを貰っていましたよ、ありがとうございました。



入所者自治会
会長就任にあたり
入所者自治会会長 山本 悦司
令和6年度の自治会長になりました山本悦司です。
初めて会長になったので、職員の皆さんに色々教えてもらいながら、一年間体に気を付けて頑張っていきたいと思いますので宜しくお願い致します。


家族会より
出会いに感謝して
愛命園家族会 池田 はやみ
 今年は1月1日に石川県で大きな地震があり、被害にあわれた方々が大勢いらっしゃいます。犠牲になられた方々に心よりお悔やみ申し上げます。寒い中大変だったと思います。2月17日の防災教室に参加して、地震、雨の怖さを勉強してきました。日頃より準備して家族とよく話し合っておくべきだと思いました。又、コロナがなかなか終息に至らず園の職員の皆様のご苦労に感謝が絶えません。ありがとうございます。
 私は元気で残りの人生を過ごしたいと思い色々挑戦しています。今までは、気にはなっていたけど一歩が出ず…。少し勇気を出して今できることを頑張ってみようと思い、百歳体操にヨガ(呼吸法)、月一回のウォーキング、写経会(精進料理あり)、薬膳茶会等楽しく参加しています。会う人皆さんが優しく接してくれて、楽しく過ごせています。
 人との出会いが気持ちを豊かにしているように思います。健康に気を付けて楽しい一日を過ごしていこうと思います。
 私が出会った全ての人に感謝です。



~木漏れ日~リレー随想
家族の癒し
生活支援員 宮木 明美
 うちには今年で20年になるミックス犬のドリーがいます。
 内に来た頃はやんちゃ盛りで本当に大変だったけど、良く言う事を聴く賢い犬でした。最近は吠える事もなく、目も耳も悪くなり足腰も弱り一日オムツをして過ごし散歩もやっとの状態で、主人と「歳をとると人間も犬も一緒だね」と良く話します。
 今年の夏が乗り越えられるか心配ですがそっと見守ってやろうと思います。      



寄せられた善意
       令和6年1月26日~
          令和6年4月25日
           (順不同・敬称略)
《現  金》
株式会社ビッグラン 
  代表取締役 増田 裕明
坂口クリーニング店
愛命園育成会    大成 敏正
橘髙 則行     林 弘子

《現  物》
人参      坂口クリーニング店
菓子、ジュース、リンゴ
 谷川 隆子
食材  カーブス楽々園
    カーブスサンリブ五日市
    カーブスコイン通り
    カーブス広島祇園
    カーブス横川メディカルプラザ
    カーブスゆめタウン柳井
    カーブスゆめタウン新南陽

管理栄養士 青木 ましず
 フィットネスクラブ・カーブス様より、今年もたくさんの食料品を寄贈していただきました。この食品は、フードドライブ運動に協賛された皆様から提供された食材を集めたものです。
利用者さんが毎回楽しみにされているおやつバイキングでは、「この菓子うまいのぅ~」「いっぱい食べたよ」「また出してや~」楽しい笑顔のひと時でした。


《朗読奉仕》
どんぐり会

《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子

※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。


人の動き
《退  所》
1月31日付   沖 憲弘

《入  所》
3月15日付   徳山 春枝

《退  職》
1月31日付
  非常勤生活支援員  沖 照美

3月31日付
  生活支援員     山根 一洋
  非常勤生活支援員  森本 沙千子

《就  職》
1月25日付
  非常勤生活支援員  田中 早苗
  (4月1日付で常勤生活支援員に)

着任挨拶
生活支援員 田中 早苗
 この度、愛命園で支援員として働かせていただく事になりました、田中早苗です。
こちらに来させていただいて3ヶ月が経ちましたが、みなさんいい人ばかりで楽しく働かせてもらっています。
まだまだ分からない事がたくさんあり、皆さんに迷惑かける事があると思いますが、頑張っていこうと思うので、宜しくお願いします。 

編集後記
 花見の日にこれだけの桜が咲いていたのは、いったいいつ以来でしょうか。ここ数年は、咲き終わりで花びらが大量に舞い散るなかでの花見が大半であったように思います。3月の中頃には今年の桜は早いという話でしたが、分からないものです。毎年こうだといいのですが。     (HY)